近年、知的財産権に対する関心が強まっている。これらの動きは、1900年代の後半、とりわけ1980年代から「知の価値」が急速に高まり、企業経営にとって欠かせないものとなったことに起因している。このように「知」が企業や経済を動かすようになると、これらの価値をどのように保護していくかが重要な課題となってきた。
こうした流れを受けて、知的財産権の存在意義が改めて問われるようになってきた。従来から対象とされてきた技術的創作である発明や商品の標識である商標だけではなく、保護の対象となる範囲も複雑化し拡大するようになった。コンピュータプログラムやビジネスモデルに対する特許、数学のアルゴリズム、バイオテクノロジー関連発明、ヒト・ゲノムに関する取扱い、半導体集積回路のレイアウト、タイプフェイスの保護等が毎日の報道で取り上げられている。
本講義では最近動きが目覚しい特許法・実用新案法の法制度についての説明を行い、特許の取得、ライセンスの基本的知識を身に付けることを狙いとする。
本年、本講義(「知的財産権法」)では特許法及び実用新案法を以下の順序で取り扱う。
教科書として竹田和彦『特許がわかる12章』を上げておくが、毎回講義ごとにウェブを通じ、レジュメ・資料を配布していく。講義週の月曜日早朝までにアップロードしておくので、以下のサイトを必ず参照し、ダウンロードの上講義に出席してほしい。
講義出席時には必ず六法を持参すること。六法は、容易に手に入るもので構わない。ただし、できるだけ新しいものが望ましい。講義で取り扱われる法律が、必ずしも六法に収載されているとは限らないので、必要と認められる条文は適宜受講者に配布する。
[OFFICE ISHIOKA] Home Page:【http://www12.u-page.so-net.ne.jp/ga3/ishioka/】
竹田和彦『特許がわかる12章』(ダイヤモンド社、第5版、2000年)2000円+税
紋谷暢男『無体財産権法概論』(有斐閣、第9版補訂版、2001年)1800円+税