8月22日、PSIONのわが国の輸入販売元ENFOUR(エヌフォー)からPSION 5mx proが公表された。"pro"はドイツ語版に続いての英語圈外対応版。PSIONの完全日本語版の登場である。これまでは、英語版に日本語パッチを載せ、日本語に対応させていたが、今度はROMベースで入力エディタなど、システムまるごと日本語版になっているに違いない。
イケショップのHPでは、早速本機の予約受付を開始した。発売は9月中旬を予定。価格は74900円。これまでよりも1万円ほど安くなっている。しかも、メモリは32M(ユーザー利用可能メモリは18M)でわずかに増えた。価格が低下し、容量が増加した新型機種の登場に驚きはあっても悔恨の念は全くはない。むしろ日本における認知度の向上が望めればそれでよい。わたしは、PSION 5mxを使用してもう少しで一年になるが、それから十分な恩恵を受けているから損をした気には全くならないのである。
考えてみると、5mxが最初に発売されたのは、1999年。もうまる2年を過ぎようとしている。普通のPCならば、「ムーアの法則」に言及するまでもなく、ハード面でもソフト面でもすでに時代遅れといってもよいくらいの時間が過ぎている。だが、現在でも十分に実用に耐え、いまだその輝きを失ってはいない。ウィンドウズ系のPCは、次から次へと新機種が登場し、OSも新しいやつが出てきて古いマシンに載せるとすぐ息切れをする。他方、PSIONはといえば、今頃になってやっと日本語版の登場だが、それでも性能的には十分に「いま」でもやっていける。
4-5年前のわたしは、新しいPCが出るたびに右往左往していたものである。しかし、このPSIONというマシンを使い出してもっとも感じるのは、一つのものを長く使う喜びがコンピュータにおいても感じることができるということである。万年筆などの筆記用具のようにコンピュータもこうして文房具の仲間入りをする。PSIONのユーザーで同じ機種を二つ以上保有するという"異常な"人がいるが、その気持ちわからなくはない。末永く使うために、壊れたときの保険が必要なのだ。日本語版がでればかなり安定的に市場に供給されることとなるだろう。落ち着いたら、同じマシンを物色しているわたしに出会うかもしれない。