携帯電話の電子メールサービスを利用するようになって一年余り。といっても、わたしの場合、通話のための利用がメインなので、電子メールサービスはほとんどおまけといってもいい程度です。急な連絡など、よほどのことがなければ利用しません。なのに、最近、不思議というか奇妙というか、「どうして?」ということにしばしば出くわします。ここまでいえば、勘のいい方はお分かりかもしれません。
実は、この数カ月ほとんど毎日、まったく身に覚えのない差出人からメールが届くのです。しかも、中身はいわゆる「出会い系サイト」の勧誘メールです。コレって、もしかしていま話題の迷惑メール?わたしの携帯電話のメールアドレスを知っている人はほんの一握りなのに、どうして?
携帯電話に加入し、電子メールサービスなどの利用を申し込むと、電話会社から加入者一人ひとりにアドレスが配布されます。かつては、電話番号そのままアドレスになっていたようでしたが、迷惑メール防止の観点から、いまでは任意の英数字の組合せたアドレスになっているようです(もちろん、自分で新たにアドレスを修正することが出来ます)。
電話番号をそのままアドレスとして使っているならば、その組合せを適当に作り出し、機械的に「数打ちゃ当たる」式でメールを送りつけることも可能かもしれません。ご丁寧に「* このメールはランダムに配信されています。ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんがご不要な方は削除してください。」と書いているものもあります。しかし、わたしのアドレスは任意のアルファベットの組合せですから、そうはなっていません。これでもランダムに配信されているのでしょうか。不思議です。
迷惑メール、何が「迷惑」かといえば、まず、送りつけられる時間です。携帯電話を時計代わりに利用している人も多いと思いますが、わたしもその一人で、目覚まし代わりにアラームをセットすることがあります。深夜睡眠中、突然携帯が鳴り出し、慌てて起きてみると迷惑メールの着信を知らせるアラームだったということが少なくありません。また、メールを削除せずにしておいたばっかりに、それを家族に見られたときには、人格を疑われ、冷たい視線を甘受しなければならなくなります。これらは精神的な迷惑です。
それに止まりません。すべてではありませんが、一部の電子メールサービスにおいては、送信時に課金されるばかりではなく、受信時にも課金されるシステムを採用するものもあります。もちろん、それほど高額とはいえないかもしれません。20字程度であれば送受信に当たり約1円程度、このサービス最大の250字であれば送信時4.2円、受信時2.1円が課金されます。「塵も積もれば…」です。課金コストを可能な限り抑えるため、わたしの周りではひらがなを用いず、すべて漢文でメールをやりとりする工夫までしています。お礼をいうのに「ありがとう」だと5文字も使うのに、「感謝」と書けば2文字で済みます。これは金銭的な迷惑です。
これら迷惑メールには、もっと悪質なものも報告されていますが、とりあえずの対策として、@ランダムな配信が不可能なくらい複雑なメールアドレスに変更すること、A特定の人からのメールを拒否したり、特定の人からのメールのみを受信するように設定すること、そしてBインターネット経由で配信されるメールを一括して拒否する設定をすることなど方法が紹介されています。わたしの例を見ても明らかですが、@はあまり意味がなさそうです。迷惑メールの差出人は無意味なアルファベットの羅列で書かれており、Aも効果は期待出来ません。通常、迷惑メールはインターネット経由で配信されますので、これが一番効果的かもしれませんが、コミュニケートする相手が限定されてしまうという不便を受け入れなければなりません。
根本的な解決は難しいのかもしれませんが、せめて受信時の課金の取り止めと任意の受信時刻の設定はできないものでしょうか。