学説史家ではないので非常に偏った視点から専門分野を再考することしかできないが,分析的かつ批判的に論考したい. この講義を通じて,これまで正しいものとして学んだ理論であったり,あたりまえの数字として統計を見てきたものに対して,例をとおして疑問をもてるようになることが目標である.
第1回 経済予測と古代の天文学(占星術), アダム・スミスの論文について
第2回 ラグナ―・フリッシュとバビロニアの月の理論
第3回 ヘンリー・L. ムーアとメキシコ暦: 金星の再帰と地球
第4回 レスター・C. サローの主張とアルマゲスト: コンピュータによる計算能力がモデルか
第5回 ジョルダーノ・ブルーノと生産関数論争:観測なき戦い
第6回 太陽黒点説と太陽黒点:ウィリアム・スタンレー・ジェボンズとガリレオ・ガリレイ
第7回 剽窃と調和:ティコ・ブラーエとヨハネス・ケプラー,ある天文学者の評価
第8回 人口推計の系譜:エドモンド・ハレーと政治算術
第9回 アダム・スミスの『天文学史』による理論と観察(テオーリア),地動説の証拠は観察されたのか
第10回 パーシバル・ローエルと仮説,地球温暖化と進化
第11回 宇宙の大きさを測る: Henrietta S Leavittの法則と最小2乗法
第12回 需要法則の系譜:チャールズ・ダベナント,グレゴリー・キング,ウィリアム・スタンレー・ジェボンズ
第13回 物価指数の変遷: ウィリアム・フリートウッドとラディスラウス・フォン・ボルトキヴィッツ,環境指標と経済
第14回 統計的手法とわれわれの生活は今後どうなるか
その他 個人情報の壁とデータ活用