経済統計各論「数理統計基礎」(春学期) (学部3-4年)
統計学基礎理論 (修士課程)
水曜日2限:531教室
講義にむけた準備
講義で利用する教材は,K-LMSで配布します.
keio.jp
この講義の目的
統計分析を思うように使いこなしたい場合,どうしても必要な知識と技術がある.
それは統計ツールの数理的背景とコンピュータの利用技術である.
独学でも勉強できないことはないが,時間がかかる.
商学部的な人材として必要なことは,なるべく早いうちに基本を習得し,最先端の統計理論を論文・レポートの作成に活用できることだろう.
この授業では,統計学をめぐる論争や考え方を中心に,できれば最近の統計学で扱われている課題にチャレンジしたい.同じ曜日時限に設定されている秋学期の授業(統計的推論・統計解析)に続いていく.
講義の進め方
レポート課題があります.コンピュータの計算をともないます.
今年度はレポートで成績をつけます.レポートの提出が全くない場合は成績表にDがつきます。
テキスト(教科書):早見 均・新保一成『基礎からの統計学』培風館,2012年
参考書:Young, G.A. and Y.L. Smith (2005) Essentials of Statistical Inference, Cambridge University Press.
参考書:Casella, George and Roger L. Berger (2002) Statistical Inference 2nd ed., Duxbury
授業の計画
1 この講義の目的と展望:確率の定義をめぐる歴史的背景
2 ベイズの定理,正規分布の展開
3 大数の法則と収束の概念: スターリングの法則と和算との関連
4 交絡問題,サンプル・セレクション問題: 因果推論に向けて
5 中心極限定理の展開: ド・モアブルから現代のベリー・エッセン型の定理まで
6 ガンマ分布・カイ2乗分布の周辺: K. ピアソンとR.A. フィッシャー
7 t分布・F分布の周辺: Gosset, Fisher, 分散分析
8 推定をめぐる課題: ネイマンと局外母数
9 最尤法を考える
10 最尤推定量の特徴:Wilksの定理からエントロピー最大化まで
11 検定をめぐる課題:ネイマン・ピアソンの定理とR.A. Fisherの批判
12 尤度比検定の周辺: スコア検定,ワルト検定
13 ベイジアン基準をめぐる課題: BICからベーレンス・フィッシャー問題
14 因果推論について: Rubinの因果性とランダマイゼーション
15 適合度検定の周辺
レポートの提出方法 (Instructions to submit your term paper)
紙(教室で提出)または電子媒体(keio.jpからpdfが望ましい)
提出場所:講義の教室持参,keio.jpサイト
サイズはA4でお願いします.
pdfは必ず1つのファイルにまとめること.
紙の場合:講義の教室持参
Hand written papers, or digital media (pdf preferable) is acceptable.
Use A4 size paper or format.
Submit it at the class room or through keio.jp site.
Digital media must be written in a single (pdf, or docx) file. You should be ware possibility that I miss page 2 and after when you submit multiple files.