第1 競争への影響をみるべき企業結合
 法第4章においては、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合の企業結合を禁止している。これは、複数の企業が株式保有、合併等により一定程度又は完全に一体化して事業活動を行う関係(以下「結合関係」という。)が形成・維持・強化されることにより、市場における競争に何らかの影響を及ぼすことに着目して規制しようとするものである。したがって、複数の企業間で株式保有又は役員兼任が行われても当該複数の企業が引き続き独立の競争単位として事業活動を行うとみられる場合、従来から結合関係にあったものが合併して単に組織変更したにすぎない場合などについては、市場における競争への影響はほとんどなく、禁止の対象となることはまず想定し難い。
 以下では、どのような場合が競争への影響をみるべき企業結合であるのかを各行為類型ごと明らかにする。

株式保有、合併等に係る「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」の考え方
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