行動科学部門

 

T.「Work & Family Interface」に関する研究プロジェクト

1. 1999年度は、昨年度に引き続き、日本労働研究機構研究所所属の研究者及

び他大学(含める:海外の大学)の関連研究者たちとの共同研究ネットワーク

を拡充していく。

2. 女性の就労、共働き家族などの進展に関連させ、一方で「育児休業法」及び「介

護休業法」の施行とも関連づけて、文献研究、及び二、三の探索的研究(ヒア

リング・質問紙調査)を可能な範囲で遂行する。

  1. 研究成果の一部は、産業・組織心理学会、日本社会心理学会、日本家族社

会学会、日本労務学会、等で報告をおこなう。

 

U.「組織におけるメンタリングとエンパワーメント」に関する研究プロジェクト

1. 昨年度に開始した「 5年間を一応の目途」としての、学卒者の「組織社会

化」及び「キャリア発達」のプロセスを理解すべくの調査研究をさらにすすめ

る。

2. 某企業組織からの研究協力のもと、同組織への 1998年度学卒新入社員(137名)を対象にした探索的・予備的研究を継続する。

3.これら予備的分析の結果は、産業・組織心理学会、日本社会心理学会、日

本応用心理学会、日本産業カウンセリング学会、等において口頭発表の予定

である。

 

V.「情報とコミュニケーション」に関する研究プロジェクト

1.社会システム進化における自己拘束性に関する研究――組織制度変革にお

ける革新性と継続性が生じるメカニズムについて――

2.企業組織が情報化・オープン化する時代のガバナンスのあり方――特に経

営トップ交代に注目して――

W.「企業内労働市場」に関する研究プロジェクト

研究の目的

平成11年度は、欧米の代表的企業の研究開発に従事する従業員を対象とす

る意識調査を実施し、日本の代表的企業の研究者の調査と比較を行い、創造

的な研究成果を左右する人材マネジメントの諸要因を探求する。

研究の方法と内容

(1)調査委員会を組織して、調査計画の検討等を経て、順次海外調査を実施す

る。

・アメリカ、ドイツ、フランス、スイスの代表的企業で、情報通信・エレク

トロニックス及び製薬・化学(バイオを含む)の業界に属する企業の基礎・ 応

用研究所10〜15箇所を選び、ヒアリング調査と、研究者及び研究管理者の

意識調査を実施する。

(2)調査内容の主要な項目は次のとおりである。

・雇用制度(長期雇用か流動的雇用か)

・研究評価と人事評価

・給与とインセンティブ制度

・研究キャリア(年齢意識、企業内異動、専門職制度)

・企業内外の相互作用と情報の流れ

・研究成果の測定と決定要因

(3)以上のように、欧米企業の研究者の調査結果を分析し、日本の研究者の

既存調査結果と比較して、欧米企業の研究給人材マネジメントの特徴、

優位性、問題点を解明する。

 

X.「グローバル化時代の賃金制度のあり方」に関する研究プロジェクト

従来日本の賃金制度は、職能資格制度に基づいて従業員の職務遂行能力の伸びを定期昇給という形で反映させていた。しかし最近は、グローバル化・規制緩和といった要因により、より業績主義的な賃金制度を導入すべきであるという考えが強まっている。この研究では、現在日本の賃金制度にどの様な変化が生じているかを業績主義では先駆的と考えられる外資系企業との比較において明らかにする。今年度は、日本企業、外資系企業の中から、業績の高い企業を抽出し、それらの間に賃金制度についてどの様な共通点、相違点があるかを、ヒアリング調査によって検討する予定である。